夕やけを見ていた男 (補足あり)

今日も古本を数冊購入した訳でありますが、さすがに毎週通ってるとですな、そんなに新しい古本が入っているはずもないのであります。まぁあることはあったんですけどね。って言い訳はともかく、びっくりしたのがマイケル・ジャクソンファラ・フォーセットですな


マイケルの死因は不明なそうですがね、整形やら皮膚移植なんかの影響は少なからずあったんでしょうか。日本の芸能界の皆さんにも彼の死因が何か影響をあたえるかもしれませんが、まだ鼻しかイジってなかった頃の、絶頂を極める寸前の時期のライブパフォーマンスであります。

この1983年のモータウン25周年ライブの最後にソロで当時の新曲「ビリー・ジーン」を歌うんですけど、観客の前でムーンウォークやったのってコレが最初だったんじゃないかなぁ?この動画がよくテレビで流れてた記憶があります。タキシード着てたやつかもしれないけど、まぁいいか。


ちなみに僕は「スリラー」の前作の「オフ・ザ・ウォール」だけは持ってました。Rock With Youが好きでした。個人的には彼の歌で「ベンのテーマ」が一番いいと思いますけどね。って聞いてない?あーそー。


そしてファラ・フォーセットねぇ、ファラ・フォーセット・メジャースという長い名前のほうが馴染みですかね、中年には。チャーリーズ・エンジェルは見てたんですけど、僕は彼女の後釜のシェリル・ラッドのほうが好きでしたからな。それはともかく懐かしい動画で追悼しておきます。


チャーリーズ・エンジェルでの金髪の派手な女というポジションは大傑作のリメイク版(オレだけかも)ではキャメロン・ディアスが担当してましたが、あそこまで脳味噌のユルいイメージはもてませんでしたね。あくまでもカッコいい女って感じでした。日本のCMに出る外人ってそんなにいなかったですからな。まぁ今でいうなら脱ぎそうで脱がないモデルっぽいイメージのほうが近いのでは?佐藤江梨子の体にファラ・フォーセットの顔をコラージュしても不自然ではないと思いますぞ。関係ないですが彼女が主演した「シャレード'79」が全然面白くなかった記憶があります。ってこんな話がしたかった訳ではござんせん。


タイトルを覚えてますでしょうか?「夕やけを見ていた男」であります。

梶原一騎伝 夕やけを見ていた男 (文春文庫)

梶原一騎伝 夕やけを見ていた男 (文春文庫)


また 梶原一騎の話かよ!とお思いになるでしょうがそのとおり! って本のカバーからして書いてますけどな。あの「つのだじろう監禁事件」をはじめとしたダークサイドなフォースが渦巻く正にリアルカラテ地獄変でありました。


96年に発売された水声社の「マンガ地獄変」(植地 毅, 宇田川 岳夫, 吉田 豪 著)にも詳しく載ってますけどその監禁事件というのはビックコミックかなんかで連載していた「魔子」というつのだじろうの心霊漫画の中で「カラワジ・イキツ・キマト・ワヒオサ・ハノクキヨウ・ミツオ・レシモオイ…呪われよ!」「カチク・ツテバン・ダクリノノロイ・オウケミクニク・ルクシミ・クタルバ…呪われよ!」というセリフが出てきたんですな。


これは当時「空手バカ一代」の作画を降りたつのだじろうの鬱積した思いをアナグラムとしてマンガの中でホントの呪いをかけた訳なんですけど、あっさり解読されまして(「梶原一騎真樹日佐夫は脅迫の罪を思い知れ」「近く天罰呪いの下りを受け醜く苦しみくたばる」)、つーか、バレるだろ、ソレ!というツッコミも多数受けた模様ではあるが、昭和54年春、新宿の京王プラザホテルに監禁されたあげく、出版社や漫画家仲間宛に 詫び状までかかされる始末なのであった。って見たみたいに書いちゃいましたけど、監禁といえば猪木じゃないスか!


猪木と梶原の出会いというのは相当古く、初対面は昭和37年、梶原が初めて原作を書いたプロレス漫画「チャンピオン太」がテレビドラマ化された時だそうですよ。ちなみに第一話がインディアン・レスラー死神酋長が力道山と戦う話でもちろん猪木が死神酋長役!


おまけにこの本ではプロレス評論家の門茂男の著書「門茂男のザ・プロレス③−軍狼たちの真実」の中から、こんな素敵なエピソードを紹介してます!


星野健司が星野勘太郎に、山本勝が山本小鉄に、上田祐司上田馬之助にそれぞれ変えられたが、猪木には適当な名前がつかない。そこで御大力道山が直接こういったとか。


「死神酋長にしろ!」


「・・・いいじゃないか。星野や山本なんかは豊登命名だろう。猪木はわしが命名する唯一の男。死神酋長、語呂もいいじゃないか。白人、みな悪い、白人みな殺す、ハウ」


最後の「ハウ」がとってもキュート。


そのドラマで死神酋長役の猪木が、ここぞとばかり力道山に真剣勝負を挑んだと伝えられる。と書いてますけど、どこかにこの映像ないんですかね? 真剣勝負はウソだろうけど、死神酋長は見たいなぁ。


他にも「あしたのジョー」が半分以上はちばてつやの創作であるという興味深い事実や、「カラテ地獄変シリーズ」の作画を担当していた中条健が、連載はあと数回、残るはあと100ページほどなった頃、「お慈悲!」となぶり殺しの運命を前に裸女が叫び許しを乞う陵辱と拷問シーン、暴力とサディズムの応酬を書くのに嫌気がさして故郷の高知に戻り、中条家が祖母の代から信仰している天理教の教会長になった、など暗黒話は尽きません。


ちなみに「マンガ地獄変」は麻生の居酒屋 千太郎さんに置いてますぞ。