「ミレニアム:ドラゴンタトゥーの女」はよくやったよ。

最初に言っとくと僕は三部作6冊とも読了済みですからね、立ち位置はまぁ擁護する側なんですけど、よくあの長いストーリーをまとめたんじゃないかと思います。北欧の寒そうな映像とかイメージどおりでしたし、原作を大きく変えることも無く2時間半で完結させましたから。


原作では、今は別れた妻の元にいる、原理主義派のキリスト教を学んでいるミカエルの娘の一言によって、日記に残された暗号の手掛かりが聖書に絡んでることが分かるのですが、映画ではあっさりリスベットが発見しちゃったり、下半身がゆるいバツイチおじさんのミカエルが品行方正に描かれていたり、映画化による微妙なハショリ方で物語の厚みが薄れていたことは否めないところです。


雑誌ミレニアムの女編集長エリカとの人間関係はほぼ省略されてますしね。


そんなこんなで映画しか観てない人は、鼻ピアス女ハッカーのリスベットが主人公と思って見てるから母親とのクダリとかね、もろもろの彼女に関わることが説明不足であるなんてことで文句言ってるんですけど、この第一部は編集者のミカエルがメインなんですな。



原作ではこの第一部であえて重要な脇役リスベットの人物描写を控えめしてるところが鍵となり、第二部で、その一切謎だった凄惨な生い立ちを徐々にミカエルが知ることで、読み手と同じような目線でもって今回は主役となったリスベットに感情移入していくことになるんです。


僕はスペンサーシリーズとかディック・フランシスの競馬ミステリー、あとはなんだ?ミステリーじゃないけど、アービングくらいしかまともに読んでないんですけど、本当にこの3部作は面白かったんでいろんな人によんで欲しいんですよ。


ほんで今日は「原作は読んでないんですが・・・」と言い訳かましといてストーリーが平坦とか犯人が判りやすいとか特に文句つけりゃいいと思ってる自称映画評論家ををネットで3人見たんでね、まぁ一人は前田有一だけど、頭にきてたんですわ。ちなみにその週のダメダメ映画に認定してましたね。点数は30点。まぁ格闘技評論家にも似たような修斗原理主義の奴もいるか。


非常に手の込んだ伏線だらけの小説だから面白いのに、映画でのあの尺は短すぎたということでしょう。ってのは理解してるけど、偉そうに評論家を名乗るのなら原作くらい読めよな!


なんて思いましたね。僕は充分楽しめましたー。

 怪しい男、幸薄い女

「真説 光クラブ事件」読了。


映画、原作の『白昼の死角』を見ていてコーフンしていた方々には是非とも読んでいただきたい! ちなみに映画じゃ自殺する社長役を顔色の悪さでは定評のある岸田森が演じてます。ま、体の白さでは渕正信も有名ですがね。って役者じゃねーだろ!
 


渡瀬恒彦のTV版のほうが覚えてるんだが、どれどれ?  おお、今キャストを見てみると映画版もいいねぇ。岸田森だけでもシブいのに、この脇のメンツを見よ! てか脇の脇ですがね。



梶鉄夫:鈴木ヒロミツ
五十畑:田崎潤
小岩恭三:成田三樹夫
広田:中田博久
色川貢:草野大悟
熊谷経済主任:室田日出男
西郷警部:伊吹吾郎
金森光蔵:内田朝雄
ボディガード:山西道広


何なんだ、一体?


脇でもない端役にしてやさぐれたコクを持ち血の赤を思わすフルボディなキャスト。もひとつ言えば、舌で転がし味わうのであればワインなんぞより断然乳首が似合うこの面々。その男汁あふれる血のワインは濡れたヤクザの匂いがするのに決まってる。


中には雨降りやら連想ゲームやらキャプテン・ウルトラやら刑事コロンボを思い浮かべる人もいるだろうが、それもあり。


そして映画版主人公を演ずるは夏木勲(現・夏八木勲)。これまたシブい!



さ、話は変わるが、って変わるのかい! ホントは読み終わったよー、とサラっと書きたかっただけなんです。すいません。思い入れあるフリをしてました。


ほんで、話は変わる。がらっと変わる。




今日の帰りのこと。ま、珍しくシラフだったんで地下鉄をキッチリ地元の駅で降りたんですな。で、普通に駅を出て歩いていました。僕んちは駅から徒歩5分くらいなんで近いのだけど、繁華街じゃありませんから夜10時以降なんつーのは人どおりが無いんです。なんつっても昔の駅名は霊園前っていうくらいで、表の通りを抜けるとそりゃ静かなもんなんですわ。


僕の2m先を一人の女性が歩いてました。その前には誰もいません。車も全然通りません。その道を歩いてるのは僕ら二人だけです。まだ雪が積もってる訳じゃありませんからアスファルトに僕とその女性の靴音だけ響き渡ります。


コツンコツンという二人分の音が響いてる中で彼女は右に曲がりました。1、2分真っ直ぐ歩いたとこ辺りなんですが、僕んちに行く道と同じ方向なようです。続いて僕が右に曲がると足音を意識したのか彼女がチラッとだけ振り返りました。まぁ、しゃあないです偶然ですからね。


コツンコツンと歩いていく二人の足音がずれてきました。僕は普通に歩いてましたが彼女の歩調が若干早くなったようです。この時点でなーんか感じ悪いなと僕は思ってました。


次左に曲がんなよ、と何となく思っていたら急ぎ足気味の彼女は左に曲がりました。僕との距離は4mくらいになってましたが、当然僕も左に曲がります。だって僕の帰り道ですからね。


足音を完全に意識してる彼女は僕の左折に気がつき歩きながら振り返り、踵を返し歩き出します。薄明かりの中、ほんの一瞬見えたそのまなざしは獲物を狙うの蓮舫のようにキツく鋭く光ってました。正直ブサイクな面構えでしたけど。とにかく思いっきり警戒されてるようです。


えっ、何? オレなんか疑われてるよ!と思った僕は、彼女が次の路地を右折しないようにと歩きながら祈りました。僕の普通の徒歩ルートですからね。しかし、というか案の定というかね、お分かりでしょうけど彼女は早歩きで右に曲がりました。靴音はコツンコツンからカツンカツンカツンと拍子が完璧に変わってます。


ブーツで競歩かよ!


ここで僕が遠回りするのも変なんで自販で缶コーヒー買って、こじんまりした一人時間差攻撃をしてから右に曲がると僕んちを通り越して遥か前方を歩いてる彼女が見えました。


そこまで急ぐことねーだろ! と思ったものの


別になーんにも悪いことしてないのに嫌な気持ちになりました。ダークサイドなフォースを匂わしていたんでしょうか知りませんけど勘違いも甚だしいったらありゃしない。


駅の階段で上みたら超ミニスカートの尻、ってかパンツが丸見え。なんだ?と思った瞬間にその尻をカバンあてて隠しながら上から睨む豚女がたまにいますけど、それよりも気分が悪かったぜ、全く。



そんな本日、最近めっきり出番の減ったように思われるこの女優のチョイと懐かしいCMはどうでしょう? 初期の癒し系? 買ったコーヒーがこれでしたしね。



僕のなかで、酒場で知り合ったりなんかしたら酔った勢いより情ででヤラせてくれそうな、嫌と言えない女のイメージ№1が彼女。いい女で体もいやらしいけど幸薄い感は今のほうがありますな。もう41歳だそうですがアリでしょう。

 関東出張終了

やはり谷川より石井館長だろ、K-1は! まぁいい。


出張最後の夜に実兄のなじみの店につれていってもらった。


池袋の東口から歩いて10分くらいだったかな?あずま通りというとこの「しん太」という居酒屋。なにやらその日は兄を含めた常連の宴会があったらしいのだが、関係のない僕も参加させて頂いた。


さすが美味しくて楽しい店には良いお客さんがつくんだなぁ・・・と実感。麻生の「千太郎」さんもそうだしね。ホントに楽しかったなぁ。


宴会に参加していた皆さんの職業、年齢、性別はバラバラであるのに、ずーっと盛り上がっているのだ。そんだけ話題が豊富なんでしょうな。あんな飲み方を毎回しているのなら正直うらやましい!


皆さんありがとうございました。また機会があったらお邪魔させてください。



そこで劇団新感線の関係者の方とお話させて頂いたこともあり、帰りの移動用に古田新太の「柳に風」を買った。初めて読んだけどなぜかコッチ側の人って文章うまいですな。これからも注目しよう。



そうそう、ほかにも文庫買いました。本屋に行くと全ての本が面白そうに思えてしまうんで、勢いで買っちまったよ。


ミレニアム1が面白かったんで苦手な外国作品だけどG・ガルシア・マルケスの「予告された殺人の記録」、三島由紀夫高木彬光の小説のモデルになった終戦直後のヤミ金融会社設立で時代の寵児となった東大生社長 山崎晃嗣 のノンフィクション「真説 光クラブ事件」などなど。


光クラブ事件の本を途中まで読んでいたのだけど、三島由紀夫と現実に接点が会った可能性が高いというか、面識はあったはず!とまで思わせる取材の細かにのめり込みますな。とても興味深い本で暇つぶしにはもってこいかも。



てか、こんな時間に何やってんだオレ。
寝よ。

ミレニアム1 ドラゴンタトゥーの女

生きてます。一応はね。


本社別館の事務所に普段はいるんだけども、まだ慣れないので居心地が悪い。
まぁ、パソコンいじってりゃあ、とりあえずはなんらかの仕事してるよう見えるらしいんでね、孤立してるのが幸いと言うか何と言うか、ぶっちゃけネットは見放題であります。


ちょうど僕のデスクは隅っこにあるもんで、PCの画面が全員の死角になりますしな。


といった感じで試作、試食以外はノンビリ過ごしております。4キロ太りましたからな。いろんな面でたるんでおるんでしょう。


ヒマなんで映画と小説三昧であります。



100円で買った10年くらい前のミステリー、山口雅也の「生ける屍の死」



最初は翻訳小説みたいで読みにくかったけど、キャラクターが分かってくると長編なのにスイスイ最後まで読めてしまう全く奇想天外な、まさしくリビングデッドなお話。



イングロリアス・バスターズ」は面白かった。



アメリカ映画で英語以外の言葉(特にドイツ語)がそれぞれのネイティヴ・スピーカーから発せられることって、今まで無かったんじゃないだろうか?特にナチの大佐役のオーストリア人役者クリストフ・ヴァルツが良かったね。



ところで、この映画の上映前の宣伝であったのがタイトルの「ミレニアム」。
これがね、また面白そうだったんですわ。



スウェーデン映画!と書いたこの字ズラから何とも甘酸っぱい気持ちを抱くのはおそらく中年の男性のサガでありましょうが、残念ながら川上 麻衣子が脱ぐ話でもフリーセックスの話でもござんせん。



原作は早川書房の新刊で3部作の上下巻が既に発売されており、本国人口900万人のスウェーデンでシリーズ290万部を売った大ベストセラーらしく、僕はその第一部の「ドラゴンタトゥーの女」をヒマな本日の日曜の夕方に上巻を読了したところであります。ああ、続きが読みたい!



この短いトレーラーの雰囲気がリュック・ベッソンの一番の傑作「ニキータ」を彷彿させますな。
ハリウッドでリメイクされる可能性が高そうですがねぇ、アメリカが舞台でセリフが英語になっちゃうとかなり違う映画になりそうな気がしますが余計な心配ですわな。



とりあえず今日はこんなもんで。

 ゆるい音  小泉ニロ

仕事をしてるように見せかけるのは難しい。なんせホントに仕事してないからな。


毎日前の店に行ってはいるが、なんつったって留守番が主な仕事なもんだから、現場で働いてる他のスタッフには申し訳ない気持ちでいっぱいだ。


ま、あの話の長い事業部長とススキノに行く係を一手に引き受けてる僕を同情してくれる輩も3人くらいはいるがね、とりあえず定時前にオサラバする時は必ず店の電話から本店にかけ、アリバイを作ってから出かけているよ。まるで犯罪者のようだが仕方がない。


「後ろめたいから嘘をつくんでしょ。」


ちなみにこれはウチの嫁が僕に言ったセリフだが、氷のような表情で言われて本当に怖かった。



さ、怖い話はもうよそう。小泉ニロというボサノヴァシンガーを知ってるだろうか?知らんという方は自分で検索してもらうとして彼女の新譜はいいね。


当たり前だが全くロックでもブルースでもない一見弾き語りフォーク調な曲であり、言われてみればボサノヴァの片鱗はうかがえるがJポップと言われるとそれもそうだなって感じもするのが正直なところ。


第二の小野リサなんて触れ込みでこれまでカバーアルバムを作ってきたようだけど、彼女のようにネイティヴな発音で歌えていないんだよなぁ。でも見た目は小野リサより全然美人だから比べるのが間違ってるんだけど。


youtubeや本人のマイスペ−スなどでこれまでカバーしたボサノヴァのスタンダードの映像を見たけど、日本語で歌ってるこのオリジナルアルバムのほうがスッと耳に入ってきて心地よいし、断然良い。ま、ジャンルで分けること自体、今じゃナンセンスではありますわな。



この小泉ニロというシンガーはビーイング系だが関西のGIZA studio所属のようでジャズアルバムでひっそりとデビューしており、B’zZARD倉木麻衣 のような主力の売れ線とは扱いが違うようだ。しかしながら僕の好きなマダムギター長見順よりも売れる土壌にいるってことだけは間違いない。


まぁ綺麗な人だから元バックパッカーやら自分のフリーマガジンの編集をしていることなど、音楽以外でも取り上げられることがこれから増えるんでしょうな。



この手の音をほとんど聞かないけどね、昼間が暇だからのんびりしてる時にこうした音楽を聴くってのも分かるような気になった訳ですわ。僕は所謂カフェとか呼ばれる店が大嫌いだし、カフェメシとか言われる食い物も食う気がしないが、昼下がりにこのオリジナルアルバムを聞くとすればねぇ、そんな場所がよく似合うでしょ確かに。


小泉ニロ

小泉ニロ


僕のイメージでは渡辺満里奈が台湾のお茶でも飲みながらくつろいで読書してるような店でかかりそうな音楽なんだけど、こんな分かりにくい説明にでも同意してくれる人がいるなら友達になれるかもしれないな。カフェとやらには行かないけど居酒屋なら麻生にいい店を知っているからね。


さ、そろそろ不得意な草食系音楽の話は終わりだ。最後に強烈なソウルを御見舞いしてお別れしよう。なんせ明日からは恵庭で牛の丸焼きの炭の番を夜通し3日間しなけりゃならんのでね。元気になる音楽を聴かないと睡魔に勝てないだろ? 


メドレーだが2曲目の「ラッキーオールドサン」はかっこいいよ!