怪しい男、幸薄い女

「真説 光クラブ事件」読了。


映画、原作の『白昼の死角』を見ていてコーフンしていた方々には是非とも読んでいただきたい! ちなみに映画じゃ自殺する社長役を顔色の悪さでは定評のある岸田森が演じてます。ま、体の白さでは渕正信も有名ですがね。って役者じゃねーだろ!
 


渡瀬恒彦のTV版のほうが覚えてるんだが、どれどれ?  おお、今キャストを見てみると映画版もいいねぇ。岸田森だけでもシブいのに、この脇のメンツを見よ! てか脇の脇ですがね。



梶鉄夫:鈴木ヒロミツ
五十畑:田崎潤
小岩恭三:成田三樹夫
広田:中田博久
色川貢:草野大悟
熊谷経済主任:室田日出男
西郷警部:伊吹吾郎
金森光蔵:内田朝雄
ボディガード:山西道広


何なんだ、一体?


脇でもない端役にしてやさぐれたコクを持ち血の赤を思わすフルボディなキャスト。もひとつ言えば、舌で転がし味わうのであればワインなんぞより断然乳首が似合うこの面々。その男汁あふれる血のワインは濡れたヤクザの匂いがするのに決まってる。


中には雨降りやら連想ゲームやらキャプテン・ウルトラやら刑事コロンボを思い浮かべる人もいるだろうが、それもあり。


そして映画版主人公を演ずるは夏木勲(現・夏八木勲)。これまたシブい!



さ、話は変わるが、って変わるのかい! ホントは読み終わったよー、とサラっと書きたかっただけなんです。すいません。思い入れあるフリをしてました。


ほんで、話は変わる。がらっと変わる。




今日の帰りのこと。ま、珍しくシラフだったんで地下鉄をキッチリ地元の駅で降りたんですな。で、普通に駅を出て歩いていました。僕んちは駅から徒歩5分くらいなんで近いのだけど、繁華街じゃありませんから夜10時以降なんつーのは人どおりが無いんです。なんつっても昔の駅名は霊園前っていうくらいで、表の通りを抜けるとそりゃ静かなもんなんですわ。


僕の2m先を一人の女性が歩いてました。その前には誰もいません。車も全然通りません。その道を歩いてるのは僕ら二人だけです。まだ雪が積もってる訳じゃありませんからアスファルトに僕とその女性の靴音だけ響き渡ります。


コツンコツンという二人分の音が響いてる中で彼女は右に曲がりました。1、2分真っ直ぐ歩いたとこ辺りなんですが、僕んちに行く道と同じ方向なようです。続いて僕が右に曲がると足音を意識したのか彼女がチラッとだけ振り返りました。まぁ、しゃあないです偶然ですからね。


コツンコツンと歩いていく二人の足音がずれてきました。僕は普通に歩いてましたが彼女の歩調が若干早くなったようです。この時点でなーんか感じ悪いなと僕は思ってました。


次左に曲がんなよ、と何となく思っていたら急ぎ足気味の彼女は左に曲がりました。僕との距離は4mくらいになってましたが、当然僕も左に曲がります。だって僕の帰り道ですからね。


足音を完全に意識してる彼女は僕の左折に気がつき歩きながら振り返り、踵を返し歩き出します。薄明かりの中、ほんの一瞬見えたそのまなざしは獲物を狙うの蓮舫のようにキツく鋭く光ってました。正直ブサイクな面構えでしたけど。とにかく思いっきり警戒されてるようです。


えっ、何? オレなんか疑われてるよ!と思った僕は、彼女が次の路地を右折しないようにと歩きながら祈りました。僕の普通の徒歩ルートですからね。しかし、というか案の定というかね、お分かりでしょうけど彼女は早歩きで右に曲がりました。靴音はコツンコツンからカツンカツンカツンと拍子が完璧に変わってます。


ブーツで競歩かよ!


ここで僕が遠回りするのも変なんで自販で缶コーヒー買って、こじんまりした一人時間差攻撃をしてから右に曲がると僕んちを通り越して遥か前方を歩いてる彼女が見えました。


そこまで急ぐことねーだろ! と思ったものの


別になーんにも悪いことしてないのに嫌な気持ちになりました。ダークサイドなフォースを匂わしていたんでしょうか知りませんけど勘違いも甚だしいったらありゃしない。


駅の階段で上みたら超ミニスカートの尻、ってかパンツが丸見え。なんだ?と思った瞬間にその尻をカバンあてて隠しながら上から睨む豚女がたまにいますけど、それよりも気分が悪かったぜ、全く。



そんな本日、最近めっきり出番の減ったように思われるこの女優のチョイと懐かしいCMはどうでしょう? 初期の癒し系? 買ったコーヒーがこれでしたしね。



僕のなかで、酒場で知り合ったりなんかしたら酔った勢いより情ででヤラせてくれそうな、嫌と言えない女のイメージ№1が彼女。いい女で体もいやらしいけど幸薄い感は今のほうがありますな。もう41歳だそうですがアリでしょう。