「流星の絆」のハヤシライス

父親のつくるハヤシライス。
忘れられない味だの特殊な醤油が特徴となっている門外不出のレシピが重要なポイントとなっているのだが、コックである僕から言わせてもらうと全くリアリティがない。

レシピなんつーものを教えてもらったからといって同じものが作れるのならば、実務経験のない料理オタクでも専門的な料理が作れる訳で、僕らの商売は上がったりというか、調理人てのは不要になってしまう。


逆に、僕らの感覚でいうとお客さんであろうが調理師仲間であろうと自分が作った料理を喜んでもらい、その料理の作り方に興味をもってもらったのであれば、レシピであろうがその料理のポイントであろうが喜んで教えるのが実情である。というか家でもできるように細かく教えてあげたくなりますよ。うれしいもの、美味しい美味しいって食べてくれるのが。


秘伝の作り方で喜んでいるのはラーメン屋くらいではないか。それもたいして美味しくもないけど有名になったエラそうな店主の店とか。


特に洋食のデミとかフォンドヴォーなどをキチンと作っている店はそれぞれ作り方が違うので、それがその店の「お店の味のベース」となり「お店の味」になってるのだと思う。でもデミソースは既製品が多いですからなぁ。手作りだから美味しいと思ってる人は多いけど、手作りでもマズいところはマズいもんです。


そんなことより、兄弟の父親が自分とこの主力メニューであるハヤシライス(この時点で僕は微妙)を、休みにわざわざよその店で金だして食うかよ!しかも出前で、ってのがノレないところのであります。
自分とこが寿司屋やってんのに休みに出前で他から寿司とるかよ!って感覚ですよ。


この本、あと100ページくらいなんですけどね、東野作品ではイマサンくらいじゃないでしょうかね。

どちらかが彼女を殺した (講談社文庫)

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私が彼を殺した (講談社文庫)

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僕はガリレオシリーズよりこの2冊のほうが好きです。
他にも面白いのありますけどな、テレビ化されて過大評価されてる気がしますよ。


だから何?て話なんですけど。